2016-08-31 10.24.00

特許出願、特許調査を自社でこなす

株式会社名南製作所では、自社で特許出願までこなす特許に力を入れた企業です。
同社は、合板製造機械メーカーであり愛知県大府市に本社を構えます。
特許調査を自社で行う中小企業は数多くありますが、特許出願は専門性が高いため自社で行う企業は多くありません。
「自社の技術は社員が一番よく知っている」だからこそ、社員が特許出願書類を作っているのだそうです。
さらに、自分たちで特許出願書類を作らなければ他社が真似した製品を作ってきたときに気が付くのが難しいからだといいます。

従業員が全体で約110名なのに対して知財担当者が4名もいるという知財に対する力の入れよう。
それは、社長の意向として「特許がないものは売らない」というほど製品に対して特許の強い思いがあるためです。
特許によって直接儲かるということはないが、特許による目に見えないけん制力によって他社が同じものを作れないため、製品自体が売れるということを大きな効果と考えている。

一般的に特許を取得して製品を販売している場合には、独占できることにより製品価格の30パーセントが特許により得られるといわれています。
特許があることで目に見えない効果を感じているというのも訴訟などを経験して特許の重要性を知ったからというのもあるのではないかと感じました。

開発部を毎日回って知財の種を探す

知財担当者は、毎日開発部を回って開発の進捗状況を確認します。開発部は忙しさで特許提案をすることを忘れることもあるからです。
また、開発部は日夜開発を行うため自身がやっている技術開発が当たり前のことだと感じていることがあります。
本来は特許権を取ることができた発明を見逃さないためにも知財担当者は、毎日開発部を回るのだそうです。

さらに、知財担当者が開発部とのコミュニケーションをとることで知財の種を見逃さないようにしているとのことです。
これは同社の社風にも関係していることですが、会社内を訪問した際に驚いたのが、会社内には壁がなくワンフロア―を一目で見渡すことができる会社でした。
部署ごとの垣根をなくして風通しの良い会社とするためだそうです。そうした、社風もあり開発部と知財担当者とが連携して数多くの特許を取得できるのだと感じました。

知的財産を自社で育てる中小企業

多くの企業の知的財産権の管理は外部の特許事務所に依頼することが多いなか当社は自社で育てることにこだわりを持っています。
特許事務所に依頼することで外部のプロを使えるメリットがあるが、常に会社内で開発部と連携をとることは難しいです。
自社の技術に誇りを持ち育てていくことで、中小企業でも知的財産権を有効活用できるのです。

株式会社名南製作所

事業所 : 本社 愛知県大府市梶田町三丁目130番地
事業内容 : ベニヤロータリーレース、ベニヤコンポーザ、ワイドベルトサンダなど、各種合板製造合理化機械の製造・販売
http://www.meinan.co.jp/

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)