_N1A0670_________512KB

いちごけずり®」が大ヒット商品に

今回取り上げる「まんねん合同会社」は、北海道札幌市を本店とし、北海道の野菜や果物でフレッシュジュースを提供するリトルジュースバーを運営する企業です。

同社が大きく変わったきっかけは、冷凍いちごをそのまま氷削器でスライスし、その上にクリームをのせた「いちごけずり」を開発したことです。
いままでにない新しい商品であり、さらに夏の炎天下の催事やイベントでは引っ張りだこになるほど人気の商品となりました。
今では全国の百貨店などで北海道の一物産として認知されているようになってきています。

さらに、「いちごけずり」から派生した「メロンけずり®」「マンゴーけずり®」もヒットしています。

同社の知財産権戦略

同社の知的財産に関して最初に取り組んだのが「いちごけずり」という言葉の商標登録でした。
商品が売れてくるにつれて類似商品がでてくるのは世の中の常です。同社が力を入れて開発した商品の名前であり、同社が作った造語でもあることから商標登録出願をしました。その後、「いちごけずり」の商標は登録されています(登録第5757843号)。

北海道産のいちごを使うこと、いちごを薄くスライスができ、且つ刃の取り外しなどの分解が用意で清潔に保てる特別のスライス機を使うことなど、同社はこだわりをもって「いちごけずり」を提供しています。
こうした品質への取り組みによってブランド価値が高まってゆくのですが、他人が勝手に「いちごけずり」の名称を使ってしまうと、気づかれた信用も蔑ろになってしまいます。そこで、同社は「いちごけずり」の商標登録をして、同じ名前で他人が類似商品を販売することを制限することで、「いちごけずり」の品質を保つ努力をしています。
また、同社は技術や衛生管理の部分についても特許や実用新案で守るための出願をしています。

商品およびサービスについて知的財産制度を包括的に利用して守っている良い事例だと感じました。
知的財産権を取得することで、他社が粗悪品を出してきても商標権で同社のブランドを守ることができ、さらには、他社が技術で追随するのを特許権や実用新案権で防止することもできるのです。

海外展開を視野に

「いちごけずり」が人気となるにつれ、海外からも引き合いが来るようになったそうです。
特に海外での事業は、自ら行うわけではなく委託の形になる可能性が高いとのこと。

たとえ委託の形で事業をすることになっても商品の品質を守るために、海外への特許・実用新案の出願(PCT出願)と商標登録の出願をしています。
海外でもその国に応じた知的財産権を持っておくことで、ブランド価値や技術を守りながら事業展開ができるのです。

リトルジュースバー(まんねん合同会社)

リトルジュースバー 札幌本店
住所: 〒060-0054 札幌市中央区南4条東3丁目11-1
Tel: 011-213-5616
営業時間: 夏期(4月~9月)11:00-20:00 / 冬期(10月~3月)11:00-19:00
Facebook 札幌本店
リトルジュースバー 東京新丸ビル店
住所: 〒100-6590 東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディン グB1F
Tel: 03-6273-4447
営業時間: 平日・土曜11:00-21:00 / 日曜・祝日11:00-20:00
Facebook 東京新丸ビル店

萬年さん
代表社員 萬年宏之氏

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)