本日は「海外で製品を販売する場合の知的財産の取り扱い」というテーマを取り上げようと思います。

知的財産権の確認

先ず、販売しようとする自己の製品についてどのような知的財産権が潜在しているのかを考える必要があります。
例えば技術的特徴があるのであれば、発明が存在する可能性があります。
またデザインに特徴があるのであれば、意匠が存在する可能性があります。また、製品名や事業名(ブランド名)が一般的な名称でなければ、商標が存在する可能性があります。

製品を販売する国での知的財産権に関する事前調査

製品を販売する国において、他人が有するその国の知的財産権を無断で使用すると、権利侵害(特許権侵害、意匠権侵害、商標権侵害)となるおそれがあります。権利侵害で揉めることがないよう、その国の知的財産権の権利侵害となるか否かの事前調査が必要となります。
但し、海外での知的財産権の事前調査について、日本の特許事務所等を通じて海外の特許事務所に依頼すると、多額の費用が必要になります(約数十万円~数百万円)。
従って、現実的には、多額の費用をかけて海外での知的財産権の事前調査を行うよりも、以下のいずれかの対応をとるのが一般的です。

  • 製品を販売する国でのライセンス契約
  • 出願の検討
  • 外国企業との提携

それでは、1つずつ内容を見ていきましょう。

製品を販売する国でのライセンス契約

製品を販売する国において、他人の知的財産権が存在する場合でも、ライセンス契約を交わすことができれば、自由に販売することができます。

出願の検討

自己の製品について例えば発明又は意匠が存在している場合に、一般的に先ず日本での出願の要否を検討します。
この場合、直ちに外国に出願する必要はなく、先ず日本に早く出願することが大切です。日本に出願した後、一定期間であれば、日本の出願を基礎として海外に出願することができるからです。
なお、発明又は意匠は、販売により既に公知になっていると海外で特許権又は意匠権を取得できなくなる可能性が高いです。従って、自己の製品が公知になる前に出願をすることが重要です。

日本及び海外で権利を取得するためには多額の費用が必要になります(約数十万円~数百万円)。海外での権利取得により模倣品を防ぐことによるメリットと、海外で権利を取得するための費用とのバランスを十分に考慮した上で、出願の検討をする必要があります。
なお、海外での出願において、最大で約150万円の補助金を得ることも可能ですので、補助金の制度を積極的に活用されると良いと思います。

外国企業との提携

外国企業との技術提携により、自己の製品を海外で販売できるようにします。
海外での知的財産権を既に取得していれば、外国企業との技術提携を結び易くなります。
一方、海外での知的財産権を取得していない場合には、提携する外国企業に知的財産権の侵害にならないように注意喚起する必要があります。
なお、技術提携をする際には、秘密情報の取り扱いに関する契約を交わし、提携した外国企業から秘密情報が外部に漏れないようにする必要があります。