異なる色の間に挟まれた「石」が自動でひっくり返る半自動のオセロの動画が公開され、話題になっています。
ナリナリドットコム 2017/5/16
石の色の判別やひっくり返る仕掛けが外部から見えないようにうまく工夫された完成度の高いものであるため、視聴者から多くの称賛コメントが寄せられており、なかには「特許はよだせ」とのコメントもあるようです。

今回動画で公開されている半自動オセロについて特許出願されているかどうかはわかりませんが、このような動画を公開する場合には、特許制度に関して注意点があります。

特許を取得するためには様々な条件を満たさなければなりませんが、その条件の中に「新規性」というものがあります。
新規性とは、特許出願の時点においてすでに世の中に知られたりしたもの(公知といいます)ではない発明であることを意味します。「公知」には現実に知られている場合の他、資料など(例えば動画も含まれます)によって知られ得る状態にあることも含まれます。
言い換えると、特許出願より前に同じ発明が公知のものの場合には、その発明は新規性を失っていることを理由に特許を取得することができません。

このことは、他人がした発明が公知となっている場合はもちろん、自分のした発明が公知となっている場合も、原則では、特許を取得することができません。
但し、例外的には、自分の発明を自分で公開したなど一定の条件を満たす場合には、所定の手続きによって新規性を失っていないとみなしてもらえる救済制度があります。しかしながら、これはあくまで例外措置ですので、最初からあてにするような制度ではなく、結果的に新規性を失った場合のリカバリー手段として考えたほうがよいです。
例えば、この制度を利用したとしても、特許出願より前に他人が改良版を作って公開してしまっていた場合には、特許を取得できません。

新しい発明はすぐにでも発表したいという気持ちも理解できますが、そこはぐっとこらえて、特許出願を先にするようにした方が賢明ですね。

…余談ではありますが「オセロ」は登録商標ですね。そのあたりを意識してリバーシと呼ばれることも多いです。

竹村 恵一

弁理士。
主に知財ニュースを担当。
家庭ではたこ焼き担当。
趣味はフットサル。最近は、低下した体力に見合った新たな趣味を模索中。