コンピューターで生成されたキャラクター映像と、コンピューターで生成された合成音声とによって歌唱するヴァーチャルシンガー、初音ミクやVOCALOIDOとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。
そんなヴァーチャルシンガーの1つ『重音テト』について、商標登録出願したとの報告がありました。

重音テト公式ブログPTA通信 – 重音テト商標出願について

J-PlatPatで検索してみましたが、まだ掲載公報は発行されていないようです。

重音テトについて詳しくはねとらぼで紹介されていますが、元はエイプリルフールネタとして誕生したキャラクターだったとのこと。
それがいろいろな人の創作活動によって1つのコンテンツとして定着したようです。

今回の商標登録出願は公式ブログによれば、商品展開を安全にするためのものであって、これまで行われていた同人創作活動には影響しないとのこと。
一般的には創作物は著作権で保護を図るものですが、登録によって保護を明確にできる商標権を取得するという戦略をとったようです。著作権は創作してすぐに発生する一方で、裁判などをしないと有効かどうかがイマイチはっきりしない。その点、商標権は特許庁で審査を経て登録される権利なので、おおむね信頼できる権利を獲得できるというメリットがあります。

日本の法律でいえば、他の権利を取得したからといって著作権が無効になることはありません。商標権を取得しても、著作権は生きています。
著作権や商標権をはじめ、意匠権も特許権も、それぞれ保護の対象も方法も異なるものですので、それぞれに活用戦略を立てることができます。
例えば著作権と商標権のように、権利の組み合わせで多角的にコンテンツを保護するというのも知財戦略の1つですね。

Melody Audio Enterainment Listen Music Song Concept

ちなみにヴァーチャルシンガーの代表格
初音ミクで知られる「VOCALOID」(ボーカロイド)はヤマハ株式会社の登録商標であり、同社ソフトウェアの商品名です。
重音テトはUTAUというソフトウェアを利用しているので、ボーカロイドではないということですね。

後藤 英斗

弁理士、情報処理安全確保支援士(登録セキュリティスペシャリスト)
発明プラスでは外部ライターとして主にIT系の記事を担当しています。