ここ数日で著作権、とくにマンガの著作権の侵害に関するニュースが立て続けにありましたので紹介したいと思います。

ネタバレサイト

ネタバレサイトの運営者らを逮捕 ジャンプ発売前に「ワンピース」掲載の疑い – 2017.9.7 ハフポスト

ご存知「ワンピース」の最新話を少年ジャンプの発売より前にWebサイトに掲載した疑いで、当該Webサイトの運営者が逮捕されました。
逮捕容疑は「出版権など」とされています。著作権はその権利の中にもいろいろと種類があり、支分権の束と呼ばれます。出版権は、複製権の一種で、著作物を本にして出版するための権利です。

本件で調べがあったかは定かではありませんが、他にも次のような権利についても侵害が疑われるのではないでしょうか?

公衆送信権
公衆によって直接受信されることを目的として著作物の送信を行う権利。本件では公衆送信の類型のうち自動公衆送信に該当すると思われます。
送信可能化権
公衆送信権の一種で、インターネットなどで著作物を自動的に公衆に送信し得る状態に置く権利。前述の自動公衆送信は送信(ダウンロード)が行われた時点で該当する一方で、送信可能化はサーバーに置いた時点で該当します。
公表権
著作者が著作者人格権の1つとして持つ権利で、著作物の公表の許否をコントロールする権利。

どのように発売前に原稿を入手したのかは明らかにされていませんが、流通経路の中で流出した(取得した)紙面をスキャンしたのかもしれません。

海賊版誘導サイト

海賊版誘導サイトを捜索…著作権法違反容疑 – 2017.9.7 読売新聞

マンガの海賊版を掲載するWebサイトへのリンクを掲載するWebサイトの運営元が捜査を受けたようです。
このようなWebサイトでは、自身のWebサイトに著作物(の複製)を掲載しているわけではないので、前述のような何らかの著作権を侵害しているのかを明言しにくいのですが、海賊版サイトによる著作権侵害の横行を助長しているとみて遂に捜査が入ったそうです。

立件できるのか、どのような容疑で立件できるのか、非常に気になるところですので、続報を見守りたいと思います。

中世のようなパトロン文化のない現代、著作物による利益が著作者に還元されてこそ、また更なる良い創作が生まれます。
著作権によって適切な流通が守られ、これからも面白いマンガをたくさん読めることを切に願います。

逮捕

後藤 英斗

弁理士、情報処理安全確保支援士(登録セキュリティスペシャリスト)。
知的財産とITに関する記事を書いています。