中国の知的財産係争の判決例を紹介するシリーズ。今回は重慶市高級人民法院渝高法民終字第516-519号を紹介します。

事件の概要

これらの意匠権侵害訴訟案件については、意匠の類似性に対する意義はほとんどないが、3C認証と販売との関係、および車両全体と部品の重複訴訟になるか否かという問題に係っているため、同類型の特許権侵害訴訟案件においてもあまり多くない事例である。さらに、本案件は、被告の所在地で提起された権利侵害訴訟案件であり、車両全体に係る案件の賠償金額が105万元、部品に係る案件の賠償金額が7万元に達し、賠償金額が高い意匠権侵害訴訟案件に属する。

事件のあらまし

原告はオートバイなどの4件の意匠の権利者であり、被告は原告の許可を得ずに権利侵害容疑のあるオートバイ及びその部品を販売した。被告の権利侵害行為を阻止するために、原告は被告の所在地である重慶で特許権侵害訴訟を提起した。
華誠弁護事務所は、原告の委託を受け、訴訟提起前に権利侵害で提訴された製品の購入の公証、展覧会の公証、ホームページの公証などを含めて大量の詳細で確実な証拠を取得した。訴訟中に、被告は、その製品が3C認証を取得していないため、正常な販売条件を満足しないことを主張し、さらに権利侵害で提訴された製品の出所が被告であることを否定した。そして、本案件は車両全体と部品とに係っているため、被告は、重複訴訟となると主張し、かつ賠償金額について重複して計算すべきではないと主張した。法院は、審理した結果、原告の証拠を採択し、被告の主張が証拠と法律に支持されないと判定し、被告の権利侵害行為が成立すると判決した。

本件の意義

中国の関連法律法規によると、オートバイなどの製品は販売前に3C認証を取得しなければならないが、関連製品が3C認証を取得していないからといって製品が販売されていないという必然的な結果を導くことはできない。実際には、ある企業が関連法律法規の強制的な規定を無視して3C認証を取得していない製品を市販することもあり、販売行為の存否は提出された証拠に基づいて総合的に判断すべきである。
また、重複訴訟は、(1)後訴と前訴の当事者が同一であり、(2)後訴と前訴の訴訟対象が同一であり、(3)後訴と前訴の訴訟請求が同一、或いは後訴の訴訟請求が実質的に前訴の判決結果を否定する、などの3つの条件を満足しなければならない。しかし、今回の案件において、当事者が同一であることを除いて、訴訟対象および訴訟請求はいずれも異なっているため、4つの案件は車両全体と部品に係っているといった特殊な状況があるが、重複訴訟に属すると判定すべきではなく、かつ賠償金額を重複して計算すべきという問題も存在していない。

華誠は、250名以上のエキスパートによる専門チームで編成された、中国の法律事務所・知的財産権代理会社です。広範囲・高品質のサービスの提供を堅持することで、中国トップクラスの専門家集団との評価をいただいております。
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