コラム
Column
こんにちは。特許活用アドバイザーの中村です。
街中で見かける大型特殊車両にわくわくするという方もいらっしゃるかと思います。私も子どもの頃からはたらく車が大好きで、ミニカーをたくさん持っていたことを覚えています。
今回は、そんな大型特殊車両にも関係する製品も扱っている株式会社エスティーを訪問しました。同社は、愛知県岡崎市で大型構造物の製造を手掛ける製缶・精密機械加工業者です。
(社屋外観)
同社は小型の精密加工から大型の機械加工まで広く対応してしており、例えば次のような製品を手掛けているそうです。
溶接や歪取りの分野に高い技術を有しており、全国各地の顧客からの加工依頼を受託しています。
株式会社エスティー代表取締役 迫田俊一 氏よりお話しを伺いました。
(株式会社エスティー代表取締役 迫田俊一 氏)
3年前に自社で開発した大型溶接構造物向け「加圧式歪取加工装置」について、平成28年に特許権と商標権を取得。以後、積極的な知財戦略を展開しています。
この加圧式歪取加工装置「DAIMON」は、従来は歪取りが難しかった、長尺もの・幅広もの等について、短時間で簡単に歪取りができるようになりました。加圧式歪取加工装置に関しては現在も、装置改良や装置バリエーションの拡大を検討中。特に数値制御を採用した改良を検討しています。
鋼板は、溶断や溶接など熱を加えるたびに伸縮して歪(ひずみ)が生まれます。すべての部位を同時に溶接することはできないので、先に溶接した箇所が勝って、鋼板全体が歪んでいきます。溶接をすすめるうちに、まっすぐだった鋼板が自然に、ねじれ、倒れ、曲がり、傘折れしてしまいます。そこで、溶接された反対側の面に、熱を加え形状を修正します。この修正作業を、歪取りといいます。
今回の訪問で私からは、開発費の抑制を目的とした開放特許の活用は、有効な手段になり得ると提案いたしました。富士通株式会社が開放している特許群に含まれる技術ではないものの、同社の数値制御技術を利用できないかを検討することを今後の課題としました。
「特許活用アドバイザー」は、大企業の保有する開放特許の技術を活用して中小企業の新商品開発を促進する取組(知財マッチング事業)を支援を行います。平成29年度愛知県(産業労働部産業科学技術課)委託事業です。
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