コラム
Column
「下町ロケット」に続き、池井戸潤氏の原作「陸王」のドラマがTBS日曜劇場で放映されています。
TBS 日曜劇場「陸王」
下町ロケットでは、自社で開発したロケットバルブについて特許を取得し大手企業と勝負するという話でした。
今回の陸王でも特許が出てきますが、こちらは他社で取得された特許技術を自社に取り込んで新商品を開発していくという話です。寺尾聰が演じる飯山晴之社長が開発した「繭から加工されて軽くて丈夫な素材」の特許技術をシューズのソール部分に活用しています。
下町工場が長年継続しているのには技術の裏打ちがあるからだと言えます。「陸王」の会社も100年の歴史を持つ足袋の会社という設定です。
そんな足袋工場が自社の縫製技術を使ってランニングシューズを作るという新事業に挑戦する様は、とても面白いと思いました。
新事業に取り組むことは会社にとっては大きなリスクを抱えることにもなります。
そのリスクをどのように小さくしていくかというのは大事な課題です。新事業は大きな一歩を踏み出すのではなく、自社の技術や自社の販路を活用できる半歩先へ踏み出すことも、リスクを小さく出来る一策ではないでしょうか。
自社の有用な技術(縫製技術)があったとしても、新事業としてランニングシューズを作るにはソール部分の技術が足りません。しかし、ソール部分についてまで自社で開発しようとすると開発費や時間、労力を要するため、コストの面でリスクが高くなります。そこで「陸王」のエピソードでは、ソール部分については他社の特許技術を使って商品開発を進めていくという戦略をとっています。
ソール部分に他社の特許技術を使って新商品を作るというところも今後の見所となってくる部分でもでもあるかと思います。
この他社の特許を使って商品作りをするというのは、発明plusが推進する開放特許を使った新製品作りに通じます。
開放特許を使うことによって
といった効果があります。
(フリーペーパー「発明plus(旧:開発NEXT)」より)
当サイトの次の記事も、開放特許の活用事例を紹介しています。
「陸王」を通して特許活用のメリットが伝わっていけば嬉しいです。
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