最近、国内企業の不正が相次いで報道されています。
非常に残念なことではありますが、しかるべき対応がなされ、以後、このようなことがないように期待するばかりです。

さて、特許の世界でも不正は起こり得ます。
このため、特許法には不正行為に対する規定が設けられています。今回はそのような規定の一部をご紹介します。

詐欺行為によって特許を取得した場合

特許権は、「完成した発明」について出願し、審査を通過しなければ発生しません。
このため、例えば永久機関のような実現不可能な特許出願や、ねつ造したデータなど虚偽に基づく特許出願をした場合、基本的には審査を通過できないようになっていますが、審査は完全ではありません。
そして、審査官を欺くなどの詐欺行為によって特許を取得した場合、その行為者には3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科されることがあります。さらに、法人等の業務においてこのような行為が行われていた場合、直接の行為者に加え、その法人等にも1億円以下の罰金が科されることがあります。

そもそもウソの特許に関しては、自分を含めて誰もその発明を実施できませんので、特許としての実質的な価値はありません。
また、審査官を欺くなどして審査をやりすごして取得された特許については、特許無効審判等で無効にすることもできます。
(参考: 特許無効審判とはどのような制度ですか? – 発明plus 知的財産Q&A)

特許を取得したとの虚偽表示をした場合

特許を取得していないのに特許を取得したかのような虚偽表示を行うことは禁止されています(紛らわしい表現であってもアウトの可能性があります)。
そして、そのような虚偽表示をしていた場合、その行為者には、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科されることがあります。さらに、法人等の業務においてこのような行為が行われていた場合、直接の行為者に加え、その法人等にも1億円以下の罰金が科されることがあります。

特許権は国から認められる強力な権利であるため、ウソでも「特許取得」や「特許技術」のような表示をすれば宣伝効果としては大きなものが得られます。
しかし、虚偽が発覚したときには社会的信用を失ってしまう上に前述した処罰まで受けることになりますので、やはり虚偽表示は代償の大きい行為です。

今回は特許法に規定された処罰の一例を紹介しましたが、他にも侵害罪などの罰則や、商標法などの他の知的財産法にも似たような規定が設けられています。

竹村 恵一

弁理士。
主に知財ニュースを担当。
家庭ではたこ焼き担当。
趣味はフットサル。最近は、低下した体力に見合った新たな趣味を模索中。