社長も個人発明家

発明を売りたい人、買いたい人を結ぶサービスを展開する株式会社 発明ラボックス
社長の松本奈緒美氏は、自身も個人発明家です。個人発明家として発明した商品「おそうじペン先すーぴい」。名前の通り掃除機の先端にボアがついたペン先型のノズルを付けることで、狭い隙間や手が届きにくいホコリ溜まりのホコリを落とさず拭きながら吸い取ることができるものです。本商品は14万個のヒット商品となったそうです。

完成した商品だけ見れば面白い発明であり、アイデアが企業にすぐ採用されたと思われるかもしれませんが、採用されるまでには多くの苦労があったそうです。アイデアを思いついて企画書を送った会社は70社。当初はすべて不採用で全滅。
しかし、不採用の返事があった会社からは、担当者が不採用の理由を書いて送ってきている会社もあります。不採用の理由が書いてあることをチャンスとして担当者にアプローチを続けたそうです。そして、担当者と信頼関係を築きながら6回の改良を加えたうえ商品化に至ったそうです。

アイデアがすぐに商品化されることはほとんどありません。採用してくれる企業とともに一緒に作り商品を作り上げていくことが大切だと話します。
当社は、社長自身がアイデアを商品化した経験をもとに個人発明家の商品化のお手伝いと企業にアイデアをつなぐ仕事をしているのです。


左の試作品から最終製品まで6回の改良を加え提案をした商品。

企業と発明家のアイデアをつなぐ

発明ラボックスには、2500名以上の個人発明家が登録しています(2017年10月現在)。その個人発明家が思いついたアイデアを実現していくことを発明ラボックスがお手伝いしているのです。当社のモットーは「お金をかけずに発明する」ことにあるそうです。
ただ、お金をかけないということながら特許取得する際には弁理士に仕事を頼むことを勧めているそう。ライセンス収入をもらう上で重要な知的財産権を持つ過程で、お金をかけず価値が低い権利となっては本末転倒というのが理由なのだそうです。知的財産権を確保したうえで、同社と守秘義務契約を交わした加盟企業へと発明をつないで製品化と進んでいくのです。

発明ラボックスでは新しく「チザオク」というサービスを始めたそうです。その名の通り知的財産をオークション形式で購入またはライセンス契約してもらうというものです。私自身、知的財産の流通は、今後も大企業の開放特許をはじめとして個人発明家にも拡がっていくのではないかと感じています。

最後に松本社長は「発明、アイデアで日本をもっと元気に!」と話していました。


株式会社 発明ラボックス社長 松本奈緒美氏

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)