コラム
Column
こんにちは。特許活用アドバイザーの中村です。
すっかり寒くなり、外出にはマフラーが欲しい季節となりましたが、みなさんはどのようなマフラーをお使いでしょうか。
今回は尾張縞風マフラーを手掛ける愛知県一宮市の日清ニットを訪問し、専務の林栄一氏にお話しを伺いました。
尾張縞とは、江戸から明治にかけて尾張地方で生産された縞模様の綿織物のことだそうで、この織物の技術をマフラーにしたのが同社の尾張縞風マフラーです。
このマフラーに関しては、Makuakeのクラウドファンディングで大幅に目標を達成する成果を収めており、2017年9月には中日新聞にも取り上げられています。
(中日新聞 紙面より)
ワルTEX機というイタリア製編み機を独自に改造した織機を用いて、日本では同社にしかできない技術で経織り生地を製造しています。生地製造だけでは事業の将来に不安があり、独自の製品作りへの意欲を燃やしています。その成果の1つがこの尾張縞風マフラーです。
(クラウドファンディング募集時に公開した尾張縞風マフラーの完成イメージ)
同社は公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンターの登録商標「尾州マーク」(商標登録第5690770号)を付した商品を販売しています。この活動を通じて、尾州マークのブランド力を高め、地場産業の活性化につなげたいとおっしゃっていました。
(尾州マーク)
同社としては尾州マークも活用しているものの、自社ブランドの商標登録はまだとのこと。クラウドファンディングの成功で知名度も向上していることから自社のブランドを商標として守る必要性を感じておられました。
将来的には、海外展開にもチャレンジしていきたいのことでしたので、私から商標登録制度の概要について説明しました。また、織機・技法についても改良が新規な技術として特許出願も可能になることがあることをご説明しました。
オリジナル商品開発の取り組みのプラスアルファとして、開放特許の概要を説明しました。マフラーに続いて開発を進めているオリジナル商品に、開放特許の利用を是非とも検討したいとのこと。抗菌特性を謳い文句にした商品は既に多く流通しているため、抗菌特性以外の高い付加価値によって価格競争に晒されない商品を開発・販売したいとおっしゃっていましたので、開放特許の中から利用できそうなものを探して提案することとしました。
(尾州テキスタイルデザイナーズ協会認定ゴールドクリエーター認定証をお持ちの林専務)
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