日本でも、身に覚えのないWebサイトの利用料を請求される架空請求事件が頻繁に報じられています。このような詐欺では通知元として一見すると公的な機関、信頼できそうな機関の名前が記載されていることも多いようです。
このような架空請求事件は日本に限ったことではないようで、海を越えて外国から、日本の企業などをターゲットにしてくるケースもあるようです。

WIPOのデータベースを悪用する事例

PCT国際特許出願や、マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願(いわゆるマドプロ出願)を行うと、WIPO(世界知的所有権機関)事務局のデータベースに出願人の住所や名称などの情報が記録され、その情報は原則公開されます。

この情報を悪用し、登録料などもっともらしい名目を謳って金銭請求の通知を出願人に送り付けてくる事例が発生しているそうです。通知を真に受けた出願人から金をせしめる魂胆なのでしょう。
外国からのこの手の通知は外国語であることがほとんどですから、受け取った側からすれば日本語の架空請求以上に判断に迷ってしまうかもしれません。

1つおちついて考えてみると、なぜ代理人ではなく出願人に送り付けてくるのか。
一般的には、出願手続きは特許事務所や弁理士といった代理人を介して行います。WIPOのデータベースにも当然代理人の情報も記録されています。そして、代理人のある手続きに関しては、多くの場合、代理人宛てに通知がなされます。

それなのに、なぜ代理人ではなく出願人本人に通知を送るのかと言えば、専門家である代理人にはすぐに嘘を見破られてしまうためでしょう。
もし外国から知的財産の登録に関するよく分からない通知を受け取った際には、特許事務所や弁理士に相談してください

なお、WIPOでは、不審な通知に関する情報を収集し、公開しています。
WIPO – ご注意ください:WIPO国際事務局以外の者からの手数料請求書について

坂野明日香

知財キュレーター。主に補助金・クラウドファンディングの話題を担当。
アフター5はNPO法人の理事長。ロケットストーブ&スターリングエンジンの普及促進活動をしています。