中部経済新聞で連載中「モノづくりの窓口 みんなの特許」。その第97回「中小企業向外国出願支援事業」を紹介します。

中部経済新聞 平成30年3月5日 第7面

外国出願を補助する制度がある

外国への事業展開等を計画している中小企業等に対して、外国への特許・実用新案・意匠・商標の出願等に要する費用等に係る経費の一部が助成されることをご存知ですか。
日本で特許や商標を保有していても、知的財産権は国ごとに独立しているため、外国では影響を及ぼしません。進出先の国ごとに、特許権や商標権等の取得が必要なのです。そのため、外国出願費用をはじめとする海外での知的財産活動費は高額であり、資力に乏しい中小企業にとっては大きな負担となっています。
このような中小企業の戦略的な外国出願を促進するため、特許庁が主体となって展開している「中小企業知的財産活動支援事業費補助金(中小企業等外国出願支援事業)」という制度があります。平成29年度も各都道府県で実施されました。
この助成金は、各都道府県等中小企業支援センター等(例:公益財団法人あいち産業振興機構)や独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)が申請の窓口になっています。
全国の中小企業の皆様が支援を受けることができます。また、商工会議所、商工会、NPO法人等も、地域団体商標の外国出願については、支援を受けることができます。

進出先での特許権や商標権の取得は、技術やブランドを守り、海外での事業展開を進めることにメリットがあります。無断で製品を模倣されること、商標等を他人に先取りされて自社ブランドが使用できなくなることや、または高額での権利購入を迫られることなどの知的財産リスクを回避することができます。

坂野明日香

知財キュレーター。主に補助金・クラウドファンディングの話題を担当。
アフター5はNPO法人の理事長。ロケットストーブ&スターリングエンジンの普及促進活動をしています。