ライセンスビジネス

ライセンスビジネスを行っている企業の一つに、仮面ライダーなどをはじめとするキャラクターを持つ東映株式会社があります。
仮面ライダーのキャラクターの付けられた商品のすべてを東映が作っているのではなく、キャラクターのライセンスを受けたライセンシーの企業が商品を製造して作っているのです。東映は、ライセンスを許諾しているライセンサーという位置づけです。ライセンサーは、契約にもよりますが商品の販売価格に対して数パーセントの使用料を受け取ります。
一方、東映から許諾を受けて仮面ライダーなどのキャラクターを商品付ける側のことをライセンシーといいます。ライセンシーにとっては、キャラクターの知名度や好感度を商品の付加価値として利用できるというメリットを得ます。

ライセンサーになるには

映画やアニメを製作・配給する企業では、当初からライセンスビジネスを狙っていることが多いでしょう。これに対し、コンテンツ市場と関係ない分野の企業、特に中小企業がライセンスビジネスを始めるケースでは、そもそも狙っていなかったにも関わらずキャラクターがいつの間にか有名になっていたのでライセンスビジネスに参入したということも多いのではないかと思います。

ねこまるけ」のキャラクターを扱う株式会社クスグルジャパンもその1つです。もともと雑貨類を企画販売する同社は様々な商品の柄として「ねこまるけ」のキャラクターを付けていたそうです。
商品の企画や販売を繰り返すなかで「ねこまるけ」は同社定番の位置を獲得しました。この話を伺ったとき、「商品」の定番化と同様に、「キャラクター」も商品やビジネスを展開していくなかで勝ち残り、定番と呼ばれるものが生まれていくと感じました。ほとんどの企業に、キャラクターや柄、マークなどがあるでしょう。これらは、単に商品に付けるだけでなく、ライセンスビジネスに活かしていける可能性を秘めています。

「ねこまるけ」

キャラクターを広めたい

ねこまるけのクスグルジャパンにお話を伺ったとき、キャラクターへの愛が印象的でした。キャラクターへの愛があるからこそ、自社商品での活用だけでなくライセンスビジネスへの参入を決めたそうです。
ライセンスビジネスをすることのメリットは、使用料が得られることだけでなく、多くの人にキャラクターを使ってもらうことで市場で知ってもらう機会を増やせることにもあるのです。自社商品である布製品に限らず、多くの人が手に持つスマートフォンのカバーや身の回り品などにも「ねこまるけ」が広がればとおっしゃっていました。

商品に付加価値を付けるものは技術やデザインだけではなく、キャラクターなども活用できます。また、アイデアであってもキャラクターであっても、それらは借りて活用できます。もちろん自ら生み出すことにも意味はありますが、他社が磨いたアイデアやキャラクターを活用するという選択肢も積極的に検討していきたいところです。

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)