RPA をご存知ですか?Robotic Process Automation の略で、ロボットを利用して作業を自動化することを指します。
働き方改革や生産性向上といった声を受けて、今とてもホットなワードとなっています。

ロボットとはいっても、RPA では PC 上で動くソフトウェア的なロボットのことをいい、もっぱら PC 作業を自動化することを意味します。
Webサイトでの情報の取得や登録、Excel ファイルの編集、業務アプリケーションの操作などなど、PC 上で人間がする操作をソフトウェアが代行するイメージです。そのような自動操作をするソフトウェアは昔からあったと言われると確かにそうなのですが、機能が向上したことと前述したような働き方改革のような風潮を受けて、いま RPA に取り組む企業が増えていると言われます。

この RPA、企業での活用については雑誌やブログなど、さまざまなところで紹介されていますので、そちらはお譲りし、ここでは特許事務所などでの知財業務で使えないか、ということを考えてみたいと思います。

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まず、RPA では、ロボット化できるのは単純な作業です。あれをやって次にこれをやって…と順序立てて処理できるものが得意です。一方、判断を要する作業は苦手です。あるファイルが有るか無いかといった簡単な判断はできますが、人間がするような複雑でふわっとした判断はできません。
また、ソフトウェアとしてのロボットですので、書類や伝票などのモノを扱う作業はもちろんできません。

さて、このように流行の RPA ですが、知財業務にあてはめるとどのようなシーンで利用できそうでしょうか。

特許出願などで特許庁への書類の提出はインターネット出願ソフトで行います。例えば RPA ではこのインターネット出願ソフトに提出書類を取り込む文書入力の作業を自動化できるかもしれません。
まず、デスクトップ上のアイコンからインターネット出願ソフトを起動し、文書入力のボタンをクリックし、所定のフォルダーに予め用意した提出書類を指定する、という一連の操作を自動化できそうですね(実際の手順はもう少し複雑です)。さらにはその後、人間が確認するために処理結果(エラーなど)と変換後の書類一式を印刷するところまでロボットにさせられるかもしれません。

ロボットはあくまで言われた手順を行うだけですので、本当に出願していい内容になっているかは、最終的に人間が確認することは忘れてはなりません。

そのほか、例えば特許情報プラットフォーム J-PlatPat から公開公報(PDF)を取得するような作業も自動化できるかもしれません。
しかしながら、J-PlatPat は利用条件でロボットアクセスを禁止していますので、ここは微妙です。連続して何回もアクセスすると J-PlatPat 側からアクセス制限がかかると言われていますので、ロボット化するにしてもサービスの条件の範囲内で検討する必要があります。

適材適所、ロボットを上手く活用して生産性アップができそうなところが知財業務にもまだまだありそうです。
また機会があれば、RPA の実現例などを紹介したいと思います。

後藤 英斗

弁理士、情報処理安全確保支援士(登録セキュリティスペシャリスト)
発明plusでは外部ライターとして主にIT系の記事を担当しています。日曜プログラマーとして、AI・機械学習・自然言語処理などで遊ぶ。