特許庁から「オープンイノベーションと知財の管理・契約リスクに関する啓発パンフレットを公表しました」との案内がありました。 – 2018年6月18日

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オープンイノベーションとは、従来の自社(社内)での研究開発に対して、他社・他業種と連携して商品やサービスの研究開発をする場合に用いられる言葉です。共同開発産学連携産学官連携などとも呼ばれます。

オープンイノベーションと知財リスク

他社と共同で何かを作り上げようという取り組みは、前向きに捉えればそれぞれの知識やリソースをフル活用して新しいものを生み出せる画期的な取り組みになり得ます。閉塞した自社内での常識にとらわれず、前衛的なアイデアが生まれやすいといったこともあるでしょう。
しかし、一方では、リスク、特に知的財産に関するリスクが付きまといます。イノベーションとは新しいアイデアを生み出そうということですので、当然です。知的財産のリスクは、顕在化してから手を打とうとしても何ともならないというケースが少なくありません。

特許庁が作成した今回のパンフレットは、そんなオープンイノベーションに関して知的財産にまつわるリスクを回避・抑制する方法を紹介しています。失敗例を挙げて記載されていますので、より実感(危機感)を持って考えられる内容になっています。

ドラマ「陸王」を題材に

過日ドラマ放映されていた「陸王」(原作小説:池井戸潤氏)がこのパンフレットの題材に取り入れられています。
小説・ドラマではランニングシューズの開発について特許などの知的財産権が絡むストーリーでしたので、そのエピソードを交えて紹介されています。小説やドラマをご覧になった方はより読み易い仕上がりになっているのではないでしょうか。

あいにく筆者は小説もドラマもまだ見てないのですが、このパンフレットをきっかけに見てみようかなと思いました。

NDA や共同開発契約

特許庁が発行する資料ということで特許などの権利取得や権利紛争に関する内容ばかりかと思いきや、NDA秘密保持契約)や共同開発契約など、より実務に即した内容に踏み込んで紹介されています。
知識や成果物の取り扱いという面ではこのあたりの抑えは非常に重要になってきますので、ここを教えてもらえるのはありがたいです。

社外との関わりが重要なオープンイノベーション。
ここで述べたようにリスクもありますが、そのリスクを上手くコントロールして、大きなイノベーションを手にできるように取り組んでいきたいものです。
パンフレットに関心のある方は、特許庁発表をご確認ください。

後藤 英斗

弁理士。発明plusの外部ライター(主にIT系担当)。
ネットワークスペシャリスト、セキュリティスペシャリスト。