アイデアソン

オープンイノベーションの手法にアイデアソンというもの手法があります。アイデアマラソンを合わせた造語で、様々な専門性を持ったメンバーが集い、数時間から数日という限られた時間で製品やサービスを形にすることを目指します。目的に向かってメンバーが集中することで、スピード・斬新さなど従来にないアイデア創出ができる優れた手法だといえます。

最近では、このアイデアソンに開放特許などの知的財産権を取り入れることが注目されています。知的財産権を取り入れたアイデア創出をすることで、作り出した製品やサービスについて独占権というアドバンテージを与えることができるのです。

ハッカソンのイメージ by PIXTA

ステップ1: 自社の強み

まず初めに、自社(自身)の強みをプロフィールとして整理します。主なサービスや製品、保有技術、保有リソース、また課題などを抽出します。
アイデアソンで重要なことは短時間で実現可能なビジネスモデルを創出することです。どんなに良いアイデアだとしても実現不可能ならば「絵に描いた餅」です。実施可能性を適切に判断するためにも、自社の「強み」を知っておくのです。

アイデアソンを自社の強みを再考するきっかけとしてもよいかもしれません。会社の強みはそうそう変わるものではありませんので、アイデアソンを離れても活用できます。

ステップ2: 知的財産権の検討

次に、知的財産権を探します。把握した自社の強みに関連するもの、延長線上にあるもの、組み合わせられそうなものがよいでしょう。自社のフィールドにあるものであれば、事業化した時に市場優位性を確保しやすくもあります。
他社の知的財産権は特許庁のデータベースでも探せますが時間の限られたアイデアソンの中で許諾を得ることなどまで検討するのは困難です。ここでは、開放特許や流通特許など、権利者が譲渡や許諾の意思を示しているものを利用するとよいでしょう。アイデアソンを始めるまえに、いくつかの分野の開放特許をリストアップしておいて、アイデアソンの中でその中から選ぶようにしてもいいかもしれません。

ステップ3: アイデアをスケッチ・検証

自社の強みと知的財産権を組み合わせてアイデアを具体化します。必要な設備、材料、デザイン、販路、マーケティングなど、ビジネスとして成立させることを想定します。
ある程度具体的になってきたら、そのアイデアを検証します。異なる専門性をもつメンバーがそれぞれの視点でアイデアをチェックすることで、よりよいアイデアにブラッシュアップすることができます。

発明plusの取り組み

発明plus運営チーム(コスモス特許事務所)は、経済産業省中部経済産業局の平成30年度「知財戦略を踏まえた実践型ビジネスモデル構築支援事業」 セミナー及びワークショップを株式会社富士通ラーニングメディアと共同して実施します。知的財産権を活用するビジネスモデルの創出をワークショップ形式で紹介します。

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)