京都大学名誉教授の本庶佑先生。ノーベル生理学・医学賞を受賞することが決まって以来、テレビなどで連日紹介されていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

今回の受賞は、がんの免疫治療の途を開いた功績が認められてのことですが、昨夜NHKで放送されたインタビューでは研究当初のご苦労をお話しされていました。日本の企業の多くは免疫治療に懐疑的で、あまり協力をえられなかったのだそうです。医薬などの研究では多額のコストや実験機会が必要なので、企業の協力を得られないというのは相当に大変なことだったのでしょう。
どのようにして免疫治療の確立、オプジーボの開発に至ったかと言うと、特許の出願公開がきっかけだったそうです。日本の小野薬品と共同でしていた特許出願が公開されたのを見たアメリカの企業から声がかかり、そこから研究が進んでオプジーボという製品化に到達できたのだそうです。インタビューでは、出願から1年半で公開されるという説明までされており、知財の者としては少し嬉しかったり。
協力企業を得てからは研究がスムーズに進んだということをお話しされていました。

化学の研究のイメージ

特許法は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的としています(特許法1条)。出願公開制度は、多くの人に発明の内容を知らせて更なる発明を促進する役割を担っています。本庶先生の例で言えば、特許出願の形で公開された研究を目にしたアメリカの企業が声をかけることで、更なる研究を進めることができました。
特許というと独占権の側面が強く取り沙汰されますが、このように更なる技術の発展を促進する面ももっているのですね。出願公開(公開公報)は特許庁の検索サービス J-PlatPat で閲覧することができますので、関心のある方はご覧になってはいかがでしょうか?

本庶先生の特許出願(国際出願)の公報

後藤 英斗

弁理士、情報処理安全確保支援士(登録セキュリティスペシャリスト)
発明plusでは外部ライターとして主にIT系の記事を担当しています。日曜プログラマーとして、AI・機械学習・自然言語処理などで遊ぶ。