PATENT

特許登録はすごいのか

商品に特許○○号と書いてあると何やらすごい商品のような気がしませんか?特許登録を受けることは、すごいことだと思います。それは、世の中にない新しいものを作り出したということだからです。

特許は世の中にない新しいアイデアを生み出した人に与えられる権利です。ここで新しいというのは今まで世の中にないことが必要です。

この条件が意外に難しいです。よくあるのが、「商品を売り出したらすごい売れるんです!この商品を特許取りたいんだけれど」と特許事務所にいらっしゃる方がいます。

ですが、世の中にないことが必要です。そのため、特許は原則として販売した後のものについては権利を取れません。

売れるかどうかわからない状態で特許出願をしなければいけないので、特許は「宝くじ」と同じだともいわれます。商品が当たるかどうかわからない状態でもお金をかけて出願しないとあとで泣いても二度と買うことができないということです。

また、他の人が簡単に思いつかないほどその発明が難しいことと、誰よりも早く出願していることが必要となります。

 

特許の登録率は50パーセント!?

特許権が認められるためには条件が多くて特許ってやっぱり難しいものだと思いませんでしたか?

でも特許は分野によって難しさの基準も違います。例えば、特許を望んだ出願のうち約50パーセント程度は登録されます。多いと思うかは人によると思いますが、かなり多い数だと感じます。

例えば、古い特許ですが、世の中には、「たこ焼き」の発明もあります。

どんな発明か簡単に解説すると、「溶いた小麦粉中に桜海老の粉末を小麦粉に対して3~7重量%の割合で混ぜ合わせたたこ焼き」この発明によりたこ焼きはピンクの色をしておいしそうに見えます。また、桜エビの粉末が入っているためエビの味がしておいしいです。・・・古い特許ですが、桜エビの粉末の量を限定することで、たこ焼きの発明でも登録がされています。

特許は分野によって特許の難しさという基準が大きく違うのは事実です。この基準を判断するのは特許庁になります。弁理士であった場合には精通した分野であればある程度は予測がつきますが完全に予想するのは難しいです。それくらい特許になるのかどうかの判断は難しいです。

ただし、特許権はチャレンジしなければとれません。それでもお金を特許庁に払っても特許にならない場合が半分近くはあるわけです。特許の可能性を上げるとすれば、それはアイデアをより具体的にすることです。具体的に商品に近ければ、その中にはアイデアが多く含まれることになります。たくさんのアイデアが含まれていればそれだけ新しいものが増えます。新しいアイデアをたくさん含んでいれば特許庁が認めてくれる可能性が増えるからです。

ぜひ特許出願をするときにはより具体的にして、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)