®

 商標は目印です

世の中には、いたるところに商標があふれています。看板、雑誌、靴、服どれを見てもほとんど商標がついています。例えとして、名古屋に「赤の他人」という赤みそ風味のクッキーがあったとします。

「赤の他人」のクッキーは名古屋の会社であるNEXT製菓が作っていると仮定します。このクッキーに「赤の他人」と名前を付けているのはなぜでしょうか?

あなたが名古屋に旅行に行ったとき、家族に「赤の他人」のお菓子を頼まれたとします。そうすると、あなたは名古屋駅の新幹線の売店で「赤の他人」の商品名が入った商品を購入します。このとき、あなたは「赤の他人」という名前を見て商品を手に取っています。このとき「赤の他人」という名前は目印の役目を持っています。名前は、他の商品とを区別するための目印の役目を持っているのです。

ここで、もしもNEXT製菓の商品以外に「赤の他人」という名前が付けられていたらどうでしょうか?

家族はあの「赤の他人」を買ってきてくれることを期待しています。また、商品を手に取ったあなたも当然あの「赤の他人」と考えて商品を手に取っているはずです。

このときにNEXT製菓かどうかを確認して商品を手に取る人はほとんどいないと思います。それは、「赤の他人」という名前が付けられた商品が他にはないと思っているからです。「赤の他人」という名前は目印であり、あの「赤の他人」であるという安心感を与えているのです。そのため、あたなは「赤の他人」という名前がついている商品であれば目印に従って商品を購入すれば、あの「赤の他人」を購入することができるのです。

 

一般的な言葉は登録できない

そこで、商標法は、目印としての機能があるものに商標登録を認めています。反対にいうと目印とならない商標は登録がされません。

よくお客さんが持ってくる商標で多いのが一般的な言葉で商品そのものを表すような商標です。例えば、消しゴムに対して「よく消える消しゴム」という商標登録は認められません。それは誰もが使いたいものであり誰が使っている商標か目印とならないためです。一般的な言葉で権利が取れればそれほど強いものはありませんが、残念ならが法律上商標登録を取ることができません。

あと、他人の商標と同じ又は似ている商標は登録されません。それも同じ理由で目印とならないからです。同じ商品に同じ商標がついている場合があります。それは偽物の商品やバッタものといわれるものです。偽物やバッタものの商品は同じ商品で同じ商標がついていると本物かどうか見分けるのは難しいです。そのため他人の目印としての機能をなくしてしまうため商標登録を認めていません。

みなさんもお使いの商標が登録できるのかどうか一度調べてみてはいかがでしょうか?

特許庁のデータベースで商標の調べ方についても丁寧に解説されています。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

 

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)