今年は明治の初めから数えて150年らしく、特許庁が記念としてレトロデザインの商標記念証を発行するのだそうです。

明治150周年を記念してレトロデザインの商標記念証を発行します! – 経済産業省 2018.10.31

明治期の商標登録證を模したレトロデザインということで、「関東大震災で当時の原版が消失しているので、商標登録証の所有者に見せてもらって復刻した」という注釈も歴史を感じさせます。

経済産業省HPより引用

案内を詳しく見てみると、今回発行されるのは正確には「商標登録継続記念証」。申請できるのは明治時代から継続して維持した商標権を保有している商標権者のみだそう。簡単に書かれていますがなかなか高いハードルのように思います。明治の終わりが1912年ですから100年以上も存続している登録商標だけが対象になります。

特許庁のデータベース J-PlatPat で調べてみたところ、明治期の登録の商標としては296件がヒットしました。三菱鉛筆の三菱マーク、髙島屋の「丸に髙」や、キリンビールの瓶ラベル、「味の素」など、なるほどと思うような商標が明治の登録のようです。少し意外ですが、「NEC」(菱つき)や「Johnson&Johnson」などの英字の商標でも明治時代に登録されたものもありました。中には見たこともないものもありましたが、やはり明治から続く登録商標というのは、どこかでは目にしたことがあるような広く認知されたものが多い印象をこの検索結果からは受けました。

商標権は特許などとは異なり更新することで権利を存続させ続けることができます。それは、長く使い続けることが商標(ブランド)の価値を高めるという性質を反映したものです。明治から平成まで維持されているような商標たちはその積み重ねた価値も相当高いものと言えるでしょう。J-PlatPat の商標検索で登録日の条件を「18680125:19120730」として検索すれば明治時代に登録された商標を閲覧できますので、ご覧になってみてはいかがでしょう?

後藤 英斗

弁理士、情報処理安全確保支援士(登録セキュリティスペシャリスト)
発明plusでは外部ライターとして主にIT系の記事を担当しています。日曜プログラマーとして、AI・機械学習・自然言語処理などで遊ぶ。