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アイデア商品を作るときは調査が重要

私は、弁理士の仕事の他に、アイデア発明を生み出し、製造販売するベンチャー企業を経営しています。自分でベンチャー企業を経営し、知的財産権の重要性をさらに認識することができました。その認識した重要性についてお話します。

アイデア発明の一つとして「資格合格鉛筆」という受験グッズを製造販売しています。「資格=四角」、「合格=五角」の意味で、鉛筆の形が四角形と五角形をしたものです。

「資格合格鉛筆」を思いつく以前に一番最初に思いついたのは五角でできた「合格箸」でした。そして、「資格合格箸」ができたのは偶然です。

弁理士試験の前に鯛の刺身を食べようとした時に当時使っていた丸箸から鯛が滑って落ちたことがきっかけです。鯛が箸から滑ったときに、鯛に対してイラついたのと同時に、受験生が使う箸は角が必要だと気がつきました。そして、始めに、すべらない五角形の箸の「合格箸」を考えました。

そして思いついたらすぐに調査です!

特許調査と商標調査、あと先行技術調査としてGoogleや楽天でも調査を行いました。

結果、特許や商標は完全に同じものはないことが分かりました。

反対に、五角で「合格箸」はGoogleで探すとごまんとあるため今更販売しても勝機はないと感じました。

商品を製造販売する際には、あらかじめ特許情報プラットフォームで商標調査をしてください。インターネットの検索サイトで「許情報プラットフォーム」で検索し、初めての初心者用のところをクリックしていただけると丁寧に調査の方法が書かれていますので1度お試しください。

万が一、商標調査をしないで販売を開始すると、損害賠償と商品名の変更をする事態になる可能性があるからです。例えば、第1回でもお話ししましたが、堂島ロールを販売する「モンシュシュ」は、商標権者のゴンチャロフの商標である「モンシュシュ」があったことで、店名を「モンシェール」に変更、さらに、ゴンチャロフに対し5100万円の損害賠償を支払っています。

「モンシェール」が商標調査をしっかりとしていればこのようなことはなかったでしょう。そのため、訴訟リスクを軽減するためにも商標調査をしてください。

アイデア発想のヒントに使う調査

また、商標調査や先行技術調査をすることは、新たなアイデアを生み出すヒントにもなります。「合格箸」が五角形の箸として売られていることを調べて、競合会社があることを知り、今までにない箸を作りだしました。そこで生まれたのが一方の箸を四角形にした「資格合格箸」です。「資格合格」について、商標調査をしたところ、権利がないため商標登録をしました。「資格合格箸」も商標調査がなければ生まれなかったアイデアです。

このように、特許調査や商標調査は、訴訟リスクを軽減します。さらに、新たなアイデアを生み出すヒントにもなります。

そのため、新しい商品を製造販売するときには、特許調査や商標調査を利用して製造していくことをおすすめしています。

 

資格合格鉛筆楽天で販売中です

 

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)