弁理士の安田です。特許庁から弁理士試験最終合格者の統計が発表されましたので、今回はその分析をしたいと思います。

今年度の統計で注目すべきは、受験回数等内訳と短答合格回数等内訳において、初回の方の割合が増加していることでしょうか。要因としては、ここ数年の合格者減という状況を受けて受験を諦めてしまう複数回受験者の方が多くなって相対的に初回受験者が増えたと推測することもできますが、弁理士試験が基本に忠実な試験になってきているためということも言えるかもしれません。

初回受験者の方の大半は、およそ1年間の学習で試験に臨むことになろうかと思います。1年間ではできることが限られているため、論文の書き方など基本のポイントに集中して学習することになります。そうした点が、現在の弁理士試験が受験生に要求するものとマッチし、今年度の統計のようになっているという可能性があります。

勉強を何年か続けていれば知識が蓄積されるのは間違いありませんが、それが逆に足枷になってしまう場合があります。例えば、論文式試験では知識がある分どうしても自分の知識量をアピールしたくなり、設問が問う論点とは直接関係ないことをついつい書いてしまったり、記載量が増えて時間が足りなくなってしまったりすることが多々あります。

弁理士試験の学習を続けておられる方も、たまには基本に立ち返るようにしてみてはいかがでしょうか。初回受験者が合格できるのであれば、予備校の入門講座で教わる内容を十分に理解していれば合格できると思われます。あれこれ教材に手を出して知識を蓄積させていくのではなく、復習をメインとして一度得た知識の確認をする時間も有意義でしょう。

今年の合格者が昨年とほぼ同数であることから、合格者数の減少は落ち着いた感があります。諦めずに勉強を続ければ、努力は必ず報われるはずです!

安田 宗丘

弁理士。特許業務法人コスモス特許事務所勤務。

専門分野は機械。某電子部品メーカーでエンジニアとして約13年間勤務。
娘の“アナ雪“好きにつられ「ありのまま」の自分を模索する中、弁理士試験合格を機に特許事務所へ。転職とともに神奈川県民から愛知県民となり、慣れない土地と仕事に日々奮闘中。