知財界隈ではソフトバンクロボティクス等が販売するロボット「Pepper」が商標登録されたと話題です。

商標登録第6081795号

J-PlatPat より商標登録第6081795号公報

この商標は「立体商標」という制度を利用して登録されています。立体商標とは従来平面的な文字やロゴについてのみ認められていた商標登録を立体的な形状についても認めるようにしたものです。
とはいえ「商標」ですから、他の商品とその商品を区別できるような特徴がなければ商標としては認められません。ロボットとして当たり前の形状・よくある形状であるような場合には、誰の商品かその形状からはわかりませんので商標としての登録を受けることができません。この点から考えると、「Pepper」は最近ではよく見かけるようになりましたし、プロモーションのおかげで「Pepper」固有の形状であってそれがソフトバンクの商品であることは広く認知されるところとなっています。このような背景から、商標登録が認められたのでしょう。

新商品を考えるとき、特許権や意匠権で模倣や類似品を排除することが考えられますが、これらの権利は有限で一定期間で消滅してしまいます。また、登録には新規性や進歩性(創作非容易性)といった「新しさ」が求められるため、既に販売してしまった場合には取得できません。これに対して商標権は販売開始後に取得することも可能ですし、更新手続によって10年ごとに権利を延長することさえできます。
商品を「ブランド」として確立していく上では商標権も有効な手段となり得ます。特徴的な形状をもつ商品を企画された際には立体商標としての登録を検討してみてはいかがでしょう?

ちなみにさっと「Pepper」の意匠登録を検索してみましたが、タッチパネル部分の画面の意匠はありましたが、ロボット全体の形状としての登録は見つけられませんでした。もしかしたら初期開発の段階などで公開されてしまっていた(新規性がなくなった)、元々の開発元がなんらかの権利を保有している、など何か事情があるのかもしれません。

後藤 英斗

弁理士、情報処理安全確保支援士(登録セキュリティスペシャリスト)
発明plusでは外部ライターとして主にIT系の記事を担当しています。日曜プログラマーとして、AI・機械学習・自然言語処理などで遊ぶ。