ライセンス利用料のキャッシュフローの考え方の復習

先日はライセンス利用料のキャッシュフローの考え方を紹介しました。(過去の記事
開放特許を活用することで新しいキャッシュポイントを作る可能性が生まれます。

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ライセンス利用料の会計上の処理と税務上のポイント

今回は、ライセンスを受けて開放特許を活用する場合に必要となる会計上の処理と税務上のポイントを解説します。

例題ケース

  • A社が新製品開発のためにB社から特許権を利用するための通常実施権の許諾を受ける契約
  • A社からB社への年100万円の一括払い
  • 普通預金から支払い
  • 国内事業者間の契約
  • 消費税率は8%
  • 税込処理

会計処理

ライセンス利用料は、会計上は支払手数料や技術利用料などの科目で処理をしていくのが一般的です。ここでは標準的な会計ソフトに初期設定されている支払手数料で検討をしていきます。

借方 貸方
支払手数料 1,080,000円 普通預金 1,080,000円

もしライセンス利用料の割合が事業規模から判断して多い場合には、技術利用料などの科目を設けて別の費用と区別して把握するようにすれば意思決定にも有用と考えられます。
このあたりは会計実務の煩雑さと、経営判断への必要性とを考慮して処理方法を定めましょう。

税務上のポイント

ライセンス利用料は「消費税の課税対象になるかどうか?」という質問をいただくことがあります。

ここで日本における消費税の課税対象となる取引は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等と定められています。資産の譲渡等には資産の貸付やサービスなどの役務提供も含まれます

これを今回のケースのライセンス契約にあてはめて考えると、

  1. 国内において行われるか →
  2. 事業者が事業として行う取引であるか →
  3. 対価を得て行う取引であるか →
  4. 資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供等に係る取引であるか →

となり、全ての要件を満たすことになります。従って、特許などのライセンス契約(の対価)は消費税の課税対象ということになります。

ただ、仮に特許権の保有するライセンサー(B社)が外国の企業である場合には非課税となるケースもあります。この点に関しては、やや高度な判断を要するので専門家にご確認いただくとよいでしょう(参考)。

畑中 外茂栄

保有資格:公認会計士/税理士/キャッシュフローコーチ
社長のモヤモヤしている想いを言語化し、
会社を防衛するための財務戦略を社外No2のポジションで実践するパートナーとして活動している。
得意分野は社長が真にやりたいことや将来のビジョンを明確にした上での財務戦略立案。
お金の出入りを見える化した予算実績管理、銀行との融資交渉、資金繰り対策を行っている。
「お金の悩みを1枚の図で一気に解決する!経営数字のワークショップ」や「知識0からOK!ビジネスを加速させる決算書の見方」、「会社の財務体質を強くする!正しい節税の考え方」などを定期的に開催している。
https://sun-tax.or.jp/