物語は魅力的

スポーツ選手が怪我から復帰してオリンピックでメダルを取る、というような復活劇は多くの人を感動させます。人は単なる結果だけではなく、その背景にある物語に惹かれるのです。商品やサービスでも同じことがいえます。もし開発秘話や苦労話などがあれば、ぜひ商品を購入しようとしている人に伝わるようにしてみてください。特に、開発者の悩みから生まれた商品であれば、説得力のある物語となり、お客さんから共感されやすく愛される商品となります。

マスコミも注目

物語があると、商品やサービスをわかりやすく伝えることができます。そうすると、マスメディアに取り上げられる可能性も高まります。マスメディアは、裾野の広い視聴者に伝えるために「わかりやすさ」を求めているからです。マスメディアに取り上げられれば、大きな宣伝効果を期待できます。

商品やサービスの良さを伝えるためにも物語は役立ちます。特に「従来品との違い」、つまり従来品のどういう問題を解消したのかを伝えることができるとお客さんに響くのです。この問題点を洗い出して特徴を出していくという作業は、課題と解決手段を示して出願を行う特許と同じです。物語を作るということは、新しい商品やサービスを作っていくことと同じともいえるのではないでしょうか。

物語を書き出してみる

いきなり物語を考えるのが難しければ、従来品との比較や従来品の課題と解決方法、商品の効果、商品を使うメリット等の特徴を書き出してみてください。また商品の歴史もわかると、より深みも出てくるでしょう。

商品の特徴を書き出すことができたら、それらをつなげて物語にしてみましょう。この段階ではきれいにまとめようとする必要はなく、話が通っていればOKです。体裁を整えるのは、パッケージや商品説明を行う段階で十分です。

名前が物語る

商品の特徴が書き出せたら、物語を作ると同時にキャッチフレーズネーミングを考えてはいかがでしょうか。特徴を端的にとらえたキャッチフレーズやネーミングは目にとまりやすく、その背景にある物語を知ってもらうきっかけになります。そして物語に興味を持ってもらえれば、商品を見てもらえるようになるでしょう。ネーミングやキャッチフレーズを作るのも、物語をつくる作業と同じです。書き出した特徴から、商品やサービスを象徴するキーワードがきっと出てくるはずです。ぜひ、物語と一緒にネーミングやキャッチフレーズを考えてみてください。

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)