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日本弁理士会が行う知的財産コンサルティング

平成27年度、日本弁理士会は,「弁理士知財キャラバン事業」を立ち上げました。本事業の主たる目的は,中小企業に知財戦略・知財経営の重要性に気づきを与えることです。

日本において中小企業は全企業の99.7%ありますが、中小企業による特許出願の数では全出願の13%程度に留まります。これまで特許出願の多くは大企業によるものでした。
このような状況の中、日本弁理士会は、弁理士の知的財産権を広めるという使命から新たな中小企業支援施策である弁理士知財キャラバン事業を立ち上げました。本事業の統括責任者である松浦喜多男弁理士は「知財キャラバンを通して中小企業の経営が良くなり、弁理士が社会に貢献していくことができれば」と話しています。

眠った知的財産を見つけ出す

知財キャランバンを通して期待されることは、弁理士が特許出願をして知的財産権を増やしていくことはもちろん、中小企業の現場に直接派遣していき会社の中で眠っている知的財産を発掘することです。

松浦弁理士は「会社の中に眠っている知的財産は通常業務を行っている会社の人では気がつかないかもしれませんが、発明や技術に常に触れている弁理士であれば見つけることができる」と話します。弁理士が企業内の埋もれている知的財産を発掘し財産にする。それにより最終的には知的財産権を金融機関にアピールすることができ融資を受けることができる効果が得られるといいます。

また、弁理士は日頃から発明(アイデア)に触れているため開発段階から協力することができ、また、意匠(デザイン)や商標(ネーミング・トレードマーク)など、知的財産全般についてのフォローが期待できます。

費用を弁理士会が負担

知財キャラバンは、弁理士会が社会に貢献するため実施している事業であるため報酬、交通費等の費用は日本弁理士会が負担します。
知財キャラバンでは弁理士が最大3回訪問し、1回目に現状把握などを行うヒアリング、2回目に依頼企業が考える課題とコンサルティング側が考える課題の摺合せ、3回目に戦略提案するという流れで行います。

「知的財産は大企業のもの」という既成概念を崩すためにも弁理士会が新しく始めた知財キャラバン。これまでの弁理士は、特許出願、商標出願のような手続の代理業務を行っているだけで食べていける時代でした。これからの時代は、手続の代理業務はもちろん、知的財産の活用をアドバイスできる弁理士が求められるようになってきています。そうした知財活用の裾野を広げるためにも、「知財キャラバン」は必要だと感じました。
前にも述べましたが、費用を日本弁理士会が負担してくれますので、知的財産をビジネスにつなげていきたいという方は、ぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

弁理士知財キャラバン

富澤 正

弁理士。当サイト『発明plus(旧:開発NEXT)』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)