知的財産Q&A
Intellectual Property Q&A
特許出願をしようと思い、いくつかの特許事務所に見積をお願いしたのですがそれぞれ異なる料金が提示されました。
値段だけで決めてしまっても大丈夫でしょうか?
特許出願の料金は、特許庁に納付する料金に特許事務所で弁理士やスタッフが対応する作業の量に応じた料金を加えた額となるのが一般的です。
特許庁に納付する料金はどの特許事務所に依頼してもほぼ変わりませんので、見積の差は、特許事務所で予定する作業の量や作業の単価によることとなります。作業の量は、作成する書類の分量によって変わります。
もちろん作成する書類の分量は作ってみないと分かりませんが、見積では、事務所内の基準や経験則によって書類の分量を見積もり、そこから作業の量、ひいては料金を見積もります。これから作成する書類がどのくらいの量になるのかを見積もるところで、それぞれの特許事務所での考え方が大きく反映され、その結果が、見積金額の差となってくると考えられます。
見積を比較するときのポイントとして、説明がしっかりされているのかがあります。特許の手続は一般的には複雑なところもあり、料金に含まれている作業、含まれていない作業がわかりにくいことがあります。
どこまでは見積の範囲で、どこからは別料金なのかなど、しっかりと説明してもらえる特許事務所は信頼できます。
特許が登録されるまでの料金として、次のような見積が作成されます。
特許は、出願しただけでは登録されません。一般的に出願から審査請求や拒絶理由通知への対応、特許査定後の登録手続までで、ざっと70万円以上はかかります。当初は出願の料金の見積のみが提示されると思いますが、その後の手続の料金までおおよそでも説明されているとよいでしょう。親切な特許事務所では、登録までの費用感まで説明してくれます。
特許は登録に至るまでに時間も手間もかかります。特許事務所とは長いおつきあいになりますので、料金だけではなく、相性や信頼といった面でも選びたいところですね。その点の評価は、「説明」が親切かどうかでもわかるのではないでしょうか。
加えて1点、注意点を挙げるとすれば、特許出願の料金を見積内でしてもらえるのか、追加料金が発生するケースがあるのか、は事前に確認した方がよいでしょう。冒頭に説明しましたが、出願書類は作ってみないと分量がわからないところもあります。その際に多額の追加料金を請求されたら困りますので、予め、完成品と追加費用の関係について、確認しておくとトラブルを回避できます。
回答日:2018年5月10日