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PCT国際特許出願のメリットは?

外国に関する質問

PCT国際特許出願のメリットは?

外国への特許出願でPCT出願をするか、直接出願をするか迷っています。
PCT出願にはどのようなメリットがありますか?

外国での権利の要否を検討する時間を稼ぐことができたりします。

発明の価値を見極める時間を稼ぐことができる。

直接出願でパリ条約の優先権を使う場合、最初の出願日(優先日)から1年以内に権利取得を希望する国への特許出願をその国の言語・形式でしなければなりません。

これに対し、PCT国際出願の場合は、優先日から30ヶ月(2年6ヶ月)以内に、権利取得を希望する国に国内移行手続を行えばよいのです。

パリ優先権を伴う直接出願と比較すると、その国で権利取得をするか否かを検討するのに18ヶ月(1年半)の時間を稼ぐことができます。

外国出願は、発明に特許性があるからといってすぐにするものではありません。一般的には、その国での事業性や展開戦略などの要素を踏まえて決定されます。例えば、PCT国際特許出願で稼いだ30ヶ月の間に、発明の価値が上がれば国内移行する国を増やし、逆に価値が下がれば国内移行する国を減らすということもできます。

PCT国際特許出願を利用するのに向いている要素

標準化技術
自分の特許が標準化技術になれば、他人は利用せざるを得ないことから、その発明の価値は当然上がります。標準化されるか否かは1~2年またはそれ以上の時間を要するため、検討期間を確保できる。
基礎研究
製品化まで時間がかかる基礎研究に関する発明は、製品化の可能性も含め技術の動向を見極める時間が必要です。
事業計画
海外生産等、拠点の進出先が決まるまでの期間を確保することができる。

国際調査報告及び国際調査機関の見解書の活用

PCT国際出願をすると、出願した発明に類似する発明が過去に出願された(公知となった)ことがあるかの調査(国際調査)が行われます。その際、出願された発明が進歩性・新規性など特許取得に必要な要件を備えているか否かについて審査官の見解も作成されます(国際調査報告・国際調査機関の見解書)。

国際調査報告および国際調査機関の見解書によって、特許性を有しているか確認し、有していない場合には、国内移行する国を絞ったり国内移行を早い段階で諦めたりすることができます。国内移行には翻訳費用も含め多額の費用を要するため、時には、国内移行先を絞ることでコストを重要国に集中する戦略をとることもあります。

特に、PCT国際出願をして国際調査機関に日本の特許庁を選択した場合は、国際調査報告・国際調査機関の見解書は日本語(と英語)で作成されますから、日本の出願人にとっては検討しやすいのです。

直接出願と比べても、効率的に特許性の情報を得ることができるので、翻訳費用・審査請求費用・代理人費用(国内・国外)などを削減できることがあります。

回答日:2018年1月26日

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