知的財産Q&A
Intellectual Property Q&A
特許権は出願から20年で消滅してしまいます。
せっかく発明したのですからずっと持たせてあげてもいい気がするのですが、なぜ消滅するのでしょう?
特許法は「発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与すること」を目的としています(特許法第1条)。
もし発明が発明者の下で秘密にされているとすれば、その発明を他に誰も利用することができず、社会全体としてはその恩恵を受けにくくなってしまいます。かといって、発明を公開してしまえば誰でもその発明を利用できるので、発明者は名誉以外にはあまり報われないこととなってしまいます。
そこで、発明を公開させる代償として独占的な権利(特許)を与えるのが特許制度です。従って、その独占権も有限のものとし、権利が切れた後には誰もが自由にその発明を利用できるようにしているのです。
回答冒頭の目的にもある通り、保護だけでなく発明の利用も想定している制度だからこそ、特許権に期限が設けられていると言えます。
回答日:2019年6月21日