知的財産Q&A
Intellectual Property Q&A
多くの人がつかう一般的な言葉も商標登録によって突然使えなくなったりするのでしょうか?
商標法では「その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」を登録しないこととしています。「普通名称」とは一般的な名称、「役務」とはサービス、「標章」とは商標そのもの(文字や図形など)のことです。
すなわち、商品やサービスに対して広く一般的に用いられる言葉(名称)については出願しても商標登録されない、ということです。
そのような言葉が商標登録によって特定の者に独占されてしまうと生産や流通に支障を来すため、登録を制限しているのです。例えば果物の「りんご」を突然「りんご」と呼べなくなってしまったら、その混乱たるや想像を絶します。
一方で、商品などとの関係で一般的な名称でなければ登録が認められます。例えばコンピューターや中古自動車販売についての「アップル」は普通の名称とは呼べないので、商標登録が可能となります。
なお、特許庁の審査における地球上すべての普通名称を把握しているわけではないので(時代によっても変わります)、過誤登録という形で普通名称が商標登録されてしまうこともありえます。このような場合にも、異議申立などによって登録を取り消したり、普通の使用であるとして商標権の効力を制限したりできるよう、商標法の他の状況でフォローされています。
回答日:2019年1月25日