知的財産Q&A
Intellectual Property Q&A
スマホゲームを開発してリリースする予定です。
このゲームのアイデアについて権利で守ることはできるのでしょうか?
アイデアの保護はさまざまな知的財産制度によって多角的に行うことができます。
まず、操作や表示の制御に関して画期的な技術であれば特許での保護が可能です。古くはファイナルファンタジーのアクティブタイムバトルシステムが特許であったことは良い例です。ただし、単なるゲームのルールは、単なる人為的な取り決めであるとして、特許にならない点には注意が必要です。
特許の取得には、リリースや発表の前に出願をして、審査を受ける必要があります。
また、創作物として著作権での保護も考えられます。現在の著作権法の解釈ではテレビゲーム(ビデオゲーム)は映画の著作物と考えられていますので、真似して別のゲームを作成することは、著作権の侵害となります。また、ゲームのソースコードが盗まれたなどの場合には、そのソースコード(プログラム)も創作物として著作権による保護を得られる可能性があります。
著作権は特許のように出願などの手続をせずに利益を得られる点がメリットです。
ブランドやネーミングの工夫により商標権での保護も可能かもしれません。例えばゲームのタイトルを商標登録することにより、類似するタイトルの他のゲームを排除することができます。商標権も特許と同様に出願・審査が必要です。一方、商標権は一定期間で消滅する特許とは異なり更新ができますので、長期的な展開をお考えなら活用するメリットが大きいです。
知的財産権制度としては他に実用新案権や意匠権がありますが、これらはテレビゲーム(ビデオゲーム)・スマホゲームについての適用が不可能またはかなり限定的になりますので、活用は難しいかと思われます。ボードゲームやカードゲームなど、物として実現するゲームであれば、場合によっては実用新案権や意匠権といった制度を活用するケースもあります。
回答日:2018年9月7日