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特許の紛争処理にはどのような制度がありますか?

トラブルに関する質問

特許の紛争処理にはどのような制度がありますか?

特許に関して発生した紛争については、どのような制度を利用できるのでしょうか?

知的財産を専門的に扱う相談窓口などがいくつかあります。

特許の紛争は、特許権成立前にはその発明が特許に値するか否かという特許性を巡る紛争があり、特許権成立後にはその特許の有効性(特許性)を巡る紛争と、特許権の侵害性を巡る紛争があります。

特許性を巡る紛争処理の制度

特許性を巡る紛争処理について出願人の立場からは、拒絶査定不服審判があります。拒絶査定不服審判とは、特許庁の審査にて、審査官が当該出願を特許できないとの拒絶査定した場合に、特許庁に当該拒絶査定の見直しを求める制度をいいます(特許法121条)。

拒絶査定不服審判の請求は、出願人が拒絶査定謄本送達日から3ヶ月以内に拒絶査定不服審判請求書を特許庁に提出して行います。拒絶査定不服審判にて拒絶査定維持審決が出された場合には、出願人はさらに東京高等裁判所に審決取消訴訟を請求することができます(特許法178条)。

特許権の有効性を巡る紛争処理の窓口

特許権の有効性を巡る紛争の処理には、特許異議の申立てと、無効審判と、訂正審判があります。これらはいずれも特許庁が請求に基づいて処理します。

特許異議の申立て

特許異議の申立てとは、申立てに応じて特許庁が自ら特許付与を見直す制度をいいます(特許法113条)。特許異議の申立ては、特許掲載公報の発行の日から6ヶ月以内に、誰でも異議申立書を特許庁に提出して行うことができます。
特許異議の申立てによって特許取消決定がなされた場合には特許が取り消されますが、特許権者は東京高等裁判所に決定の取消を請求することができます。一方、特許維持決定がなされたの場合には、異議申立人は決定の取消を請求できません(特許法178条)。

無効審判

無効審判とは、特許庁が行った特許付与の有効性をめぐる特許権者と利害関係人の争いを解決するための制度をいいます(特許法123条)。無効審判は、利害関係人が無効審判書を特許庁に提出して請求し、その請求はいつでも行うことができます。
利害関係人とは、例えば、特許権侵害訴訟の被告や、特許権者から警告書を送付された人などが含まれます。無効審判にて、特許は無効であるとする無効審決が出された場合、特許権者は東京高等裁判所に審決の取消を請求することができます。

訂正審判

訂正審判とは、特許権者による特許権の技術的範囲の訂正の可否を判断する制度をいいます(特許法126条)。特許権者はこの制度を利用して、特許中の無効理由(無効審判によて無効と判断される理由)を解消したりすることができます。
訂正審判の請求は、異議申立て又は無効審判が特許庁に係属していない場合に、特許権者が特許庁に訂正審判請求書を提出して行うことができます。訂正審判にて、訂正不認容審決が出された場合、特許権者は東京高等裁判所に審決の取消を請求することができます。

特許権の侵害を巡る紛争処理の窓口

特許権の侵害を巡る紛争の処理には、侵害訴訟、裁判外紛争解決手続(ADR: Alternative Dispute Resolution)、特許庁の判定などがあります。

侵害訴訟

侵害訴訟とは、特許権の侵害の有無を争う訴訟をいいます。侵害訴訟は、原告が訴状・添付書類・証拠を裁判所に提出し、訴えを提起します。
訴えの提起先(裁判管轄)は、一般の訴訟で裁判管轄になる裁判所が東日本にある場合には東京地方裁判所、西日本にある場合には大阪地方裁判所です(民事訴訟法6条)。判決に不服がある場合には東京高等裁判所に控訴でき、さらに最高裁判所に上告することもできます。

裁判外紛争解決手続 ADR

ADRとは、紛争を裁判によらずに調停、仲裁等により解決する手段をいいます。知的財産関連事件を扱う民間ADR機関としては、例えば、日本知的財産仲裁センターがあります。

日本知的財産仲裁センターでは、弁護士と弁理士による調停・仲裁が行われます。調停や仲裁は、当事者の話し合いによる紛争解決手段なので、裁判のように結論を白黒はっきりさせずにグレーな解決が可能です。また、非公開で行うため、当事者間の争いを取引会社に知られることなく解決できます。
例えば、日本知的財産仲裁センターに調停(仲裁)を申し立てるには、一方の当事者が申立人として、調停申立書(仲裁申立書)の正本1通を、被申立人と調停人(仲裁人)の合計人数分の写しとともに受付窓口に提出することにより行います。

特許庁の判定

判定とは、特許発明の技術的範囲についての鑑定的な見解を特許庁に求める制度をいいます(特許法71条)。

回答日:2017年9月28日

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