知的財産権の取得には相当の費用がかかります。
特許庁に納める料金、特許事務所への依頼料、事前調査などにかかる経費、外国に出願するなら更に…といった具合です。
一般的に事業に必要な資金は銀行の融資や投資家の出資で集めますが、知的財産権の取得は出願前に公開できない性質上おおっぴらに資金の募集ができませんし、そもそも未確定の権利なので投資も集まりにくいのです。
しかしながら、やはり有益なアイデアはしっかりと権利を確保して、然るべき事業を展開すべきです。そこで活用したいのが「補助金」や「助成金」といった公的制度です。
多くの行政機関や自治体等が、モノづくりに関する補助金制度や助成金制度を設けています。
ご存知のない方もいらっしゃるかもしれませんが、その中には知的財産権の取得などに利用できるものも少なくありません。
補助金 | 助成金 | |
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支給金額 | 少額なものから、数千万円以上のものまで様々 | 少額がほとんど |
補助率 | 支払った金額により、支給される金額が異なる。 おおよそ2分の1から3分の2程度が支給される。 |
一定の金額が支給される |
返済義務 | なし | |
支援分野 | 技術開発、新商品の開発または生産 | 雇用増加・安定・能力開発 |
実施主体 | 経済産業省・地方自治体 ほか | 厚生労働省・地方自治体 ほか |
お金の支給時期 | 事業を行った後 | |
受けるための条件 | 補助金を使う必要性を書面でアピールする必要あり | 資格要件を満たせば受けられる |
書類整備 | 事業に使ったことを証明する書類整備が必要 | |
募集時期 | 募集開始から数週間程度 | 通年 |
難易度 | 難 | 易 |
※上記は一例です。
※主催者により制度名称が異なります。
補助金・助成金をいかにうまく活用するかで、競争力に差がつきます。
コストカットによって事業費を削ることもできますが、その方法ばかりでは何かを切り捨てたり我慢したりといった部分が出てくることもしばしばです。
多くが公的な制度である補助金・助成金は、原則、返済不要です。これらの制度を活用すれば、必要なところに十分な資金を投じることができるでしょう。
補助金・助成金を上手に活用して、スマートな事業革新を実現しましょう。
補助金・助成金の制度はたくさんあります。その制度はすべて同じではなく、制度趣旨・募集条件・範囲(金額や対象)など、それぞれに特性があります。
まずは、いろいろな制度を知り、自社の事業計画にマッチした制度を選択することが大切です。
発明plusでは、随時補助金・助成金制度の情報を紹介しています。
補助金・助成金制度のほとんどは後払いです。
応募時に記載した事業計画を完遂し、それに要した経費に対して補助・助成金が給付されます。したがって、給付を受けるまではいったんは事業者が支払いをする必要があることに注意が必要です。
計画した事業を完遂するまでの運転資金を確保できるように、背伸びのない資金計画を立てましょう。
インターネット・雑誌・新聞等から情報収集します。各地方の産業支援センターや商工会議所、補助金・助成金のポータルサイトの「ミラサポ」でも最新情報がチェックできます。
申請書類を取り寄せ、必要事項を記入。添付書類を用意して提出し、審査を受けます。
場合によっては、申請書類を提出する前に窓口で事前交渉等が必要な場合も。
補助金・助成金を交付する事業者として採択されると、交付決定通知が送られます。
申請した事業計画に基づいた事業を実施します。
※補助金・助成金が交付される前に、事業の実施、つまり、支払いがありますのでご注意ください。
実施した事業の内容やかかった経費を報告し、交付請求をします。
領収書や証拠書類をすべて補完し、交付請求時にその写しを提出する必要があります。
事業完了報告書・各種エビデンスのチェックを経て補助される金額が確定。補助金を受領することができます。
なお、補助金の対象となる領収書や証拠書類は、補助事業の終了後も5年間は保管しておく必要がある場合も。